2007年08月02日

ブレードランナー・ノスタルジー(4)

1992年、ブレードランナー誕生から10年目に「ディレクターズカット ブレードランナー 最終版」が公開された。
最初、ディレクターズカット版が公開されると聞いても余り期待はしていなかった。
その頃、ブレードランナー完全版のLD(レーザーディスク)も購入して何度か見ていた。
当時、ビデオなどの普及により劇場公開された映画に追加映像を加えた特別版などがポツポツと出て来ていた時代だったので、どうせその程度だろうと思っていた。
しかし、まず目を引いたのはポスターだった。
デッカードとレーチェル、そして上空から見た警察本部ビルとスピナーがイラストで描かれている。
非常にカッコ良かった。
(アルヴィンというアーティストが最初の公開時[1982年]にポスター用に書いたものらしい。)
雑誌などでハリソン・フォードのナレーションが無くなり、白昼夢のシーンが追加され、ラストの空撮シーンも無くなっているなどの変更点の情報は知っていた。
そして、映画館で「ディレクターズカット版」を見た・・・・・
見終わった後、単に好きな映画から特別な1本の映画に変わっていた。
ナレーションの無いスピナーの飛行シーンはまるで未来都市を実際に目にしているようだった。
そう、「2001年宇宙の旅」の宇宙船の飛行シーン・・・・・・それに近い感覚。
(あくまで個人的な感覚です。ナレーションがある方が良いと言う人もいます。)
そして、物議をかもし出す事になる白昼夢の一角獣。
霧にかすむ森の中から現れ、首を振って消えて行く・・・・・
そして、歯切れの良いラスト!
エレベーターのドアが閉まり、エンドタイトルの音楽が流れた瞬間・・・・
完全にノックアウト状態!
実際、好きな映画としてのベースは出来ていたがディレクターズカット版でこれほどハマるとは思っても見なかった。
「最終版」から今年で15年の歳月がたつがその時のインパクトは今でも忘れられない。
たぶんこの先ずっと・・・・・












ブレードランナー・ノスタルジー(4)
「ディレクターズカット ブレードランナー 最終版」のパンフレットとDVD。
「最終版」以外のバージョン「オリジナル劇場版」「完全版」はDVDで出ていない。
(完全版:国際版とも呼ばれるヨーロッパやアジアなどで公開されたバージョン。残酷シーンの描写が長いなどの違いがある。)

ブレードランナー・ノスタルジー(4)
ネットや雑誌で、「ディレクターズカット ブレードランナー」がビデオ発売時に「最終版」となったとの表記をたまに見るが、これは間違い。
映画公開時には「最終版」となっていた。
[写真は、パンフレットのタイトルで「最終版」となっている。当時のポスターにも「最終版」と表示されている。]


ブレードランナー・ノスタルジー(4)
「メイキング・オブ・ブレードランナー」
「これ一冊で充分ですよ!」と言うくらい内容ぎっしりのメイキング本。
脚本段階では「デンジャラス・デイズ」というタイトルだったとか、さらに「ゴッサム・シティ」(それじゃバットマンだ!?)のタイトルにしようとしたとか・・・・裏話満載!
何が「ふたつで充分」だったのかもこれを読めば分かる。
500ページ近くもあり、読み応えも充分!



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Posted by unicorn  at 21:35 │Comments(3)映画

この記事へのコメント
あのユニコーンはデッカードがレプリカントであったという証拠でしょうか。
折り紙のユニコーンが物語の終わりに置かれていたということは、
ユニコーンの白昼夢も植えつけられた記憶だという説が有力なようですね。
私は今までブレードランナーを聞いたのみで、最近始めた口ですが、
仰るとおり今でも十分印象に残る映画と感じました。
暗くて世紀末のような雰囲気だけど、どこか美しくも思える未来の絵が
脳裏に焼きついたんでしょうね。映画ってスゴイ。
あと・・有名らしいですが「二つで十分ですよ」「あ、何か落としていったぜ」も「強力わかもと」と同様、なんとも言えない不思議な感覚に襲われました(笑)
Posted by tomo at 2007年08月02日 23:01
あのユニコーンの意味もふくめて、人それぞれ解釈があっていいと思います。
リドリー・スコット監督自身の考えは「メイキング・オブ・ブレードランナー」のインタビュー記事で明確に記されていますがそれは1つの考えとして、それぞれがイメージを自由に膨らませて行くのがいいんじゃないでしょうか。
映画ネタに関しては、まだ色々とありますのでまたブログに書きます。
自分勝手な内容になると思いますが、ご意見、ご要望等ありましたらコメントを入れて下さい。
(ご批判はお手柔らかに・・・・・)
Posted by unicorn at 2007年08月03日 16:00
四半世紀たった今でも,監督の意図を受け入れるかどうか,ファンの間で物議を醸し続けている映画って,この映画くらいですよね。こんな映画は他にないと思います。
Posted by orion at 2007年08月05日 08:46
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